沖縄県の看取りとは？

沖縄県の看取りに対する考え方は、時には大きな壁として家族を悩ませる可能性が高いことをあなたは知っていましたか？

他地域にはない県民性と密接に絡み合って、生じてしまう家族間のずれが、納得のいかない旅立ちにしてしまうこともあります。

県民性との関係は？どのような問題が起こる？など、沖縄県民の特性を知った上で、看取りに向けて、情報を役立ててみませんか？

沖縄県が抱える看取りの問題は？

他地域に比べると、沖縄県民は看取りとは縁が少し薄いかもしれません。
「死」というものについての扱い方に関して、全国に比べると特に沖縄県はしっかり議論をしてこなかった地域でもあります。

県民性や文化的な絡みがあり、死について目を背ける雰囲気が少なからずあるのが現実です。

すべての家庭がそういうことではありませんが、自分の終わりについてどう迎えたいかなどの言葉を出すこと自体、タブーである風潮が少し強い地域です。

県民性や文化的な絡みとしては、自身が旅立つことで、形見分け、遺産相続等の死後にやらなければならないことを口にしずらい問題と関わっています。

家族や兄弟姉妹から話題にあげて欲しくない圧がかかり、なかなか受け入れてもらえません。

お墓やトートーメーなどの関係から、長男が抱える問題や結婚していない女性の問題など、沖縄の死生観は根強い文化とともに他地域にはない独特な問題を抱えています。

死に対して動物的な死としてなかなか受け入れられない文化的な背景は、日本全体で共通することでもありますが、沖縄県は特にその見方が強いと言われています。

お墓を持ちたくなくて自然葬儀を希望したいが、長男という立場は口にしずらいという声も少なくありません。

長男がお墓を引き継ぐのは、うまれた時からの宿命といっても過言ではないくらい、沖縄県での長男は、自由に身動きが取りずらいポジションでもあります。

このように、立場によって抱える問題の負担の大小や責任感の違いから家族間のズレが起き関係性に傷をつけることも少なくないのです。

なるべくトラブルを避けたいがために、打ち明けられなかったり、なんとなく話をしてはいけない空気感が漂っていたりすることが、タブーという雰囲気を構築させてしまっているかもしれません。

沖縄県の独特な文化は、気付かぬ間に看取りに備える話し合いの機会をも逃している可能性があります。

気づいた頃には、生前にやっておくべき課題をいくつも残し、遺族の方がかなり苦労するため、文化的な特徴も踏まえて、話し合いができると良いかもしれません。

沖縄県の看取りの実態

沖縄県は自宅で看取るということは非常に少ないです。
一般病棟や、緩和ケア病棟、または施設などが一般的で、自宅で看取る数はまだまだ少ないとされています。
しかし、沖縄県民も他地域の方と同じように、自宅で最後を迎えたいという要望が多く、割合的にも高い傾向にあります。

看取りの要望に対して、沖縄の県民性が出ている面白い質問として「最後の期間をどういったことで過ごしたいか」という問いがあります。

全国的には「趣味や好きなことをして過ごしたい」というのがトップに対して、沖縄県はそれよりも「家族と過ごす時間を増やしたい」という答えの方が多いことがわかりました。

つながりを大切にする県民性は最後の迎え方にも顕著に現れており、地元民はほっこり暖かい気分に包まれるかもしれませんね。

看取りの現実

自宅希望が多い中で、一般病棟や、緩和ケア病棟、または施設等での看取りが多いことは、沖縄県の社会問題が影響しています。

家庭の共働きは当たり前で、自宅では面倒を見ることができないのが現実です。

自宅で看取りをすることは、家族の介護力もかなり重要ですが、その介護力は、全国の所得の水準からみても、沖縄県は圧倒的に低いです。

圧倒的に低い介護力では、自宅での看取りを実現できません。

それらも含め、高齢化に伴い高齢者共同住宅、託老所、民間有料老人ホームの利用者は更に増えると予想されます。

離島での看取りはかなり厳しい

場所によって偏りはありますが、様々な形態で看取りの選択ができるようになった社会である反面、自由に選択できない地域があるのも事実です。

沖縄県では、離島に住む方々がかなり苦労しており、形態を迷うことさえできない状況があります。

終末期を自宅で迎えることはほぼ不可能であるとも言われており、病院の施設の充実さが関係していると考えられます。

沖縄県のほとんどの離島診療所は無床なところが多く、住み慣れた土地でさえも離れる選択をし、本島に行かざるおえないケースもあるのです。

本人の意志を最大限に活かした看取りの形態を考えようとしても、環境によって越えられない壁があるのも、難しい点の一つです。

沖縄県が取り組む施策

少子高齢化から多死社会に時代が変化し、孤独死が増加すると懸念される中でも、社会を良くしようと沖縄県も動いています。

沖縄県では、「市民全体で支え合い・育む福祉文化のまち～がんじゅうおじぃ・がんじゅうおばぁが生き生き暮らす明るいまち～」の実現に向けて、第 7 次沖縄市高齢者がんじゅう計画（本計画）がたてられています。　

介護需要の中長期的な視点での傾向を把握しつつ、健康づくり・介護予防重度化防止の取り組みをはじめ、認知症施策の推進、適切な医療・介護サービスを提供するための基盤整備・体制づくりへの取り組みの充実化を図るためです。

主な計画として、
1 介護予防・健康づくりの推進（健康寿命の延伸）
2 保険者機能の強化（地域のつながり機能・マネジメント機能の強化） 3 地域包括ケアシステムの推進（多様なニーズに対応した介護の提供・整備）
4 認知症施策の総合的な推進
5 持続可能な制度の構築・介護現場の革新
があげられています。