迫る最期のとき シェアハウス+訪問看護でその人が望む過ごし方を実現

テーマ・迫る最期のときシェアハウス+訪問看護で

その人が望む過ごし方を実現

あなたが、もし病気になってしまい、残された時間が限られていると告げられたとしたら、皆さんはどこで、どのような時間を過ごしたいと思いますか。

残された時間を考えた時、今までと同じようにただ過ごしたい。

家族に囲まれて食事をしたり、お酒を飲んだり、いつもと同じように過ごしたい…と思われる方も少なくないのではないでしょうか。

しかし、現実は病院で最期の時を過ごされる方が多いように感じます。 

病院での生活は安心である反面、どうしても管理下の中での生活となるため、今まで自宅で過ごしていた時と同じとはいきません。

身体のためとはいえ、食事や入浴など1日のスケジュールやできることがある程度決まってしまいます。また、ルールとしてお酒を飲んだりタバコを吸ったりすることもできません。

その一方で、自宅で過ごされたいと希望されても、病気を抱えての在宅での生活は、病状の進行への不安や身の回りのお世話、家族のマンパワー不足など現実的な課題は少なくありません。

そのような課題のある中、その人らしく過ごす時間を大切にできるように、既存の施設とは違う形で在宅ケアに取り組まれている企業が大阪・高槻市にあります。株式会社みらいコーポレーションは、「ナーシングホームみらいのいろ」という、制度の枠にとらわれず在宅ケアを提供できるシェアハウスを運営されています。

今回実際に見学に行き、「ナーシングホームみらいのいろ」について社長の濱田正美さんにお話をうかがってきました。

制度の網の目からこぼれ落ちていると感じたもの

――「ナーシングホームみらいのいろ」はどのような形態なのですか

自宅での生活が困難になった方々に入居していただけるシェアハウスになります。

ナーシングホームに入居していただくことで、その方のご自宅になりますので、そこへ訪問看護でケア介入するという形態です。

――ナーシングホームというと老人ホームとして経営されている所が多いですが、「ナーシングホームみらいのいろ」は介護施設とは違うのですか

施設という枠にいれてしまうと、介護施設や障害者グループホームなど、年齢制限や疾患などにより区別され利用できない方がでてきます。

必要とされる方に看護を届けられるよう、「ナーシングホームみらいのいろ」はそういう制度の枠組みに属さない形で運営しています。

――それでは年齢や疾患など関係なく、どのような状況の方でも入居できるのですか

どのようなというわけではありませんが、老人ホームなど介護施設ではないので65歳以上でなければ入居できないということではありません。

ガン末期、難病などで積極的治療を終えて医療処置が必要であり、訪問看護が医療保険適用となる方を入居対象としております。

――「ナーシングホームみらいのいろ」を開設しようと思われたきっかけを教えてください

病院ではなく住み慣れた自宅で最後まで過ごすこと、その限られた時間の重さは本人だけではなく家族にとってもかけがえのない意味をもちます。

しかし少子高齢化の今日、特に都市部にあっては現行の医療保険と介護保険制度の枠内だけでは患者さまや家族の願いを叶えることに限界があります。

例えば介護保険制度は小児や青年層は対象ではありません。

また、独居の方の在宅看取りの現実は容易ではありません。

神経難病等で人工呼吸器や中心静脈栄養や持続点滴を行っている場合、しばしば鳴り響く医療機器のアラーム音や間断のない吸引処置や頻回な体位変換、また経管栄養の操作など、終わりのない介護にご家族が平静に対応することは通常困難です。

また、特別養護老人ホームや高齢者住宅など既存の施設では24時間看護師が常駐しておらず、患者さまが心から安心して最期の時間を過ごすことが難しいのです。

このような現状を少しでも変えられないかと、「ナーシングホームみらいのいろ」を開設しました。

どの方々との出会いもすばらしい時間

――スタッフの方々にお話をうかがった際に、「どの入居者さんとの思い出もかけがいがないものばかりです」と皆さんいわれていました。

エピソードを教えていただけますか

ガンの積極的治療を終え、出来るだけ娘様と一緒に暮らしたいと自宅で過ごされることを希望された方がいました。

初めは、当社の訪問看護ステーションが介入しながら、ご家族で介護されていました。しかし、病状の進行とともに介助量も多くなるにつれ、ご家族での介護も困難となりナーシングホームへ入居となりました。

入居時はご自身で動ける状況ではなかったのですが、車が好きな方で娘との思い出作りのために愛車でドライブに行きたいという願いがあるとスタッフが聞いたんですね。

そこで、その願いを何とか実現させたいと、私たちの試行錯誤が始まりました。スタッフでどうすれば、安全に車へ移乗できるか話し合い、移乗の練習もしました。自分で歩くことも難しい時期だったので…。

当日は奥様が運転する愛車で、看護師付き添いのもとですが娘様も一緒にドライブができ大変喜ばれていました。

家族とスタッフの思いがひとつになったからできたことだと思います。

また、ナーシングホームには若い方も入居されます。

乳癌で32歳という若さで旅立たれた奥様を看取られたご主人もいました。

ナーシングホームでの奥様と過ごした時間をきっかけに、そのご主人は看護師になることを決意され看護学校へ合格したとお手紙をいただいたんです。

私たちの関りが、ご主人に大きな影響を与えたのかと思うと驚きましたが、嬉しくもありました。

――スタッフや入居者さんとの信頼関係を感じますね。

現在の医療現場には、「ナーシングホームみらいのいろ」のような形態がもっと必要だと感じました。なにか、今後考えていることはありますか

創設当初は制度の枠に入らないことにより、行政にはなかなか理解をしていただけないこともありました。

しかし、2年たち少しずつ認知していただけるようになり、必要とされることも増えました。

6月には現在の13室から30室へ増設移転する予定です。

そして、できれば重症心身障害児デイサービスも開設し、子どもから大人まで、その人らしい時間を過ごせるような環境を今後も作っていきたいと思っています。

【「ナーシングホームみらいのいろ」補足情報】

2階建て住居、エレベーター完備
入居定員:13名(内レスパイト2名)
居室:すべて個室(エアコン・冷蔵庫・テレビ・クローゼット付き)
共有トイレ:1階2か所、2回2か所(すべて車いす対応可)
浴室:2か所あり(1階は介助浴対応、2階は自立度の高い方使用可能)
24時間看護師常駐
※2022年5月までの情報。2022年6月より大阪府高槻市城南町より同市登町へ移転。30室へ増室予定

次回から具体的な終活の4つのメリット①医療・介護の希望②財産や所有物の整理・管理についてついてシーリーズでご説明させて頂きます。

人生の終活に関する記事はこちらをご覧ください。

詳しくはこちら⇒<<沖縄終活案内所>>

これからもあなたの人生の終活を

一緒に考えていきたいと思います。!

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