高齢者の通院をサポートする「通院介助」の役割や重要性とは

超高齢社会が進むなか、多くの高齢者が病院へ通うことを必要としています。しかし、通院するだけでも体力を消耗するため、それによって高齢者の健康状態を悪化させてしまう危険性があります。
そのため現在注目されているのが、高齢者の通院をサポートする通院介助です。
安心して病院に通えるようにサポートをしてくれる通院介助は、高齢化の進展が予測されるなかで、さらに必要性が高まっていくでしょう。
そこで今回は、通院介助の役割や料金などについて解説します。

目次 [非表示]

目次

  1. 通院介助とは?
    1. 高齢化による通院に対する意欲の低下
  2. 通院介助の役割と重要性を紹介
    1. 1:安全な通院の実現
    2. 2:病院の利用を促進
    3. 3:家族の負担を軽減
  3. 通院介助のサービス内容を紹介
    1. 通院介助が適用される条件
    2. 通院介助のサービス詳細
  4. 通院介助のサービス料金を紹介
    1. 徒歩・車いす、公共交通機関を利用した場合の支払い料金
    2. 介護タクシーを利用した場合の支払い料金
  5. 通院介助は超高齢社会を守る大切なサービス
    1. 監修

通院介助とは?

高齢期になると、疾病や障害などによって心身共に機能が低下し、一人での通院が困難になってくることがあります。このような時に利用したいのが、通院介助です。
通院介助とは、病院へ通う際に、移動介助を受けることができるサービスです。移動介助は、介護保険による訪問介護サービスの一部です。通院介助を利用する場合は、要介護認定を受けて「要介護1~5のいずれか」に判定されることが条件となります。
要介護認定とは、要介護状態にある高齢者がどの程度の介護を必要とする状態なのか、その度合いを調査して判定する仕組みです。要支援1・2、要介護1~5の7区分のいずれかに判定されることにより、介護保険を利用することができます。

要介護認定とは?認定基準や申請方法について業界関係者が解説

高齢化による通院に対する意欲の低下

高齢になってくると、免疫機能や回復力が低下してくることから病気にかかりやすくなり、一旦病気にかかると治りづらい状態になってきます。加えて複数の薬を服用していると、それにともなう副作用も懸念されます。
病気により心身機能が低下してくることで歩行が困難となり、一歩一歩が重労働と感じる方もいるでしょう。また、電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合、乗り降りや混雑などの影響で疲労感が増すこともあります。さらに、目の不調や認知症の進行などにより、目的地への道順が分からなくなることもあります。これらの困難が積み重なると、多くの高齢者は自力で通院することが難しくなり、治療や診察を避ける傾向があります。そういった、誰かの助けがないと病院に通うことも難しい、という人を助けるためのサービスの一つとして、通院介助があります。

通院介助の役割と重要性を紹介

通院介助は高齢者がホームヘルパーの介助を受けながら病院へ移動し、適切な医療を受けて、自宅に戻ってくるまでの一連の移動介助を指します。通院介助には下記の重要な役割があります。

1:安全な通院の実現

通院介助を利用すれば、高齢者は安全な状態で病院へ通うことができます。付き添ってくれるホームヘルパーは介護系資格の保有者であるため、自力での移動が困難な高齢者であっても、安心して通院することが可能です。

2:病院の利用を促進

通院介助を利用することで、高齢者の通院における利便性が高まります。そのため、高齢者は身体に異変を感じた場合でも、すぐに病院へ通いやすくなるため、早期発見や早期治療につながります。

3:家族の負担を軽減

病院へ通うには、出発前の準備、行き帰りの交通機関への乗車、受診の手続き、受診後の会計、帰着後の処置など多くのやるべきことがあります。通院介助を利用した場合、移動時の介助をはじめ、受診手続きや会計の介助などもヘルパーが対応してくれるため、家族としては身体的、精神的共に負担を軽減することができます。

通院介助のサービス内容を紹介

通院介助では具体的にどのようなサービスを受けることができるのでしょうか。

通院介助が適用される条件

通院介助のサービスは、利用者が要介護認定において要介護1~5のいずれかに判定されないと適用されません。さらに、担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)によって、「通院に付き添いが必要である」と判断され、ケアプランに通院介助の必要性が組み込まれていないと利用することができません。

通院介助のサービス詳細

通院介助では、どのような介助のサービスを受けることができるのか、通院介助の場面を
細かく取り上げて詳細を整理しました。

内容介護保険の適用可否備考
①乗車前介助(更衣、ベッドから車いすへの移乗など)
②乗車介助(タクシー、バス、鉄道等の車両への移動)
③乗車中注3
④降車介助(タクシー、バス、鉄道等の車両からの移動)
⑤受診等手続き
院内介助 ⑥院内移動
院内介助 ⑦診察(リハビリ、検査等)待ち時間注1、2
院内介助 ⑧トイレ等介助
院内介助 ⑨診察(リハビリ、検査等。診察室における行為を含む)注4
院内介助 ⑩会計等待ち時間注1、2
⑪会計の介助
⑫乗車介助(タクシー、バス、鉄道等の車両への移動)
⑬乗車中注3
⑭降車介助(タクシー、バス、鉄道等の車両からの移動)
⑮降車後介助

注1)一般的には、院内において訪問介護員が直接利用者に接していない時間や見守り的援助を行っていない「待ち時間」(⑦⑨⑩)は通常対象外
注2)重度の認知症のため徘徊等で常時見守りが必要、又は1人で椅子に座ることができず、常時支え等が必要という利用者の場合は、状況により、⑨以外は全て対象となることもあり
※「自立生活支援のための見守り的援助」として具体的な介助内容及びその標準時間を訪問介護計画やサービス提供記録に記録する必要あり
注3)③及び⑬も常時介助を必要とする場合は算定対象となる場合あり
注4)⑨については、どのような場合も報酬算定の対象外。ただし、これは報酬算定が出来ないということで、訪問介護員が行うことを禁止しているものでない

出典:「訪問介護における通院介助及び院内介助の取扱い」姫路市

自治体によっては細かな取り決めがあるため、上記で適用している介助のサービス全てが利用できるとは限りません。お住まいの地域のサービス詳細を知りたい方は、役所の「介護保険課」や「長寿福祉課」(自治体によって名称が異なります。)に確認してみてください。

「都道府県別市区町村の役所役場」連絡先一覧

通院介助のサービス料金を紹介

通院介助を利用するにあたって「身体介護」と「通院等乗降介助」の2種類の介護保険が適用されますが、利用者は費用の1割~3割を自己負担として支払う必要があります。負担割合は基本的には1割になりますが、利用者に一定の所得がある場合は所得に応じて2割~3割の負担となります。料金内容は下記の通りです。

徒歩・車いす、公共交通機関を利用した場合の支払い料金

車いすを押すことや、歩行のサポート、移動の際の転倒を防ぐなどの介助は、身体介護にあたります。料金の算出方法は利用時間ごととなり、自己負担割合が1割の場合、1回当たりの料金は下記になります。

時間料金
20分未満167円
20分以上30分未満250円
30分以上1時間未満396円
1時間以上579円※30分ごとに追加で84円が加算

公共交通機関を利用する場合は、利用者と訪問ヘルパーの交通費が追加で発生します。

介護タクシーを利用した場合の支払い料金

介護タクシーを利用するのは、”通院等乗降介助”にあたります。料金の算出方法は「タクシーでの乗り降り時の介助料のみ」となり、自己負担割合が1割の場合、1回辺りの料金は下記になります。

内容料金
介助料99円

保険適用外としてタクシー運賃が追加で発生し、必要に応じて介護器具のレンタル料金が発生することも考えられます。

通院介助は超高齢社会を守る大切なサービス

通院介助は超高齢社会のなかで非常に重要なサービスです。利用者は安心して病院へ通うことができ、適切な医療を受けることができます。その結果、日常生活の質の向上や、健康寿命の延伸にも繋がるでしょう。
一般社団法人 終活協議会では、要介護認定の申請や、ケアプラン作成時の立会いなど、通院介助を利用するにあたっての様々な必要事項のサポートや代行を承っております。
終活サービスを始めて約20年、20,000人以上のお客様の終活をサポートした実績があり、全国のお客様からご好評の声をいただいております。
費用は入会金とプラン料金のみで、お客様一人ひとりに合わせた通院介助を利用するための最適なプランを提供することが可能です。しつこく契約を迫るような悪質な営業は一切
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監修

竹内義彦

竹内義彦一般社団法人 終活協議会 理事1969年生まれ、大阪出身。
2012年にテレビで放送された特集番組を見て、興味本位で終活をスタート。終活に必要な知識やお役立ち情報を終活専門ブログで発信するが、全国から寄せられる相談の対応に個人での限界を感じ、自分以外にも終活の専門家(終活スペシャリスト)を増やすことを決意。現在は、終活ガイドという資格を通じて、終活スペシャリストを育成すると同時に、終活ガイドの皆さんが活動する基盤づくりを全国展開中。著書に「終活スペシャリストになろう」がある。
高齢者の通院をサポートする「通院介助」の役割や重要性とは | 終活コラム | 終活サポートなら終活協議会 (shukatsu-kyougikai.com)
より記事を転用させて頂きました。

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