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ペットの引き渡しのために被相続人が生前にしておくべきことをチェック!
一昔前までは、三世代同居という家族構成は当たり前でした。
このような家族構成であるならば、ペット達の行く末をそこまで心配する事はなかったでしょう。
しかし、現在の日本社会は核家族化が進んでおり、飼主が他界後に遺されたペット達の行く末までも考えなくてはいけない状況になっています。
それでは、どのような準備をしていたら、安心してペット達と生活ができるのか説明していきます。
まずは相続人達(子供達)に相談しましょう!
相続対策で一番大事なことは、相続人達(子供達)とちゃんと話し合うという事です。
子供達が遺されたペット達をちゃんと面倒を見てくれるのであれば、安心してペット達と生活できるかもしれませんが、子供達にも様々な事情があり、引き取れない場合があります。
このような時には様々な対策を講じる必要が出てきます。
それではどんな準備をすればいいでしょうか?
家族同然に生活してきたペット達の行く末を考える際には、以下の項目を明確にしないといけません。それぞれチェックしてみましょう!
- 誰が(どこが)面倒を看てくれるのか?
- どこで、面倒を看てくれるのか?(飼育環境)
- 終末期医療の為の入院や介護施設に入居した際の受け入れ先
- 飼主他界後のペット達の飼育費
- ペット達の死後の整理(ペット火葬や供養など)
1から5の項目を全て明確にイメージする事はできたでしょうか? イメージはできたけど、具体的にどのようにしたら良いのか分からないという方が大半だと思います。実は、それを解決してくれる仕組みが「信託」を活用した仕組みです。
約10年程前から、民事信託を活用した「ペットに関する信託契約」が案内されるようになりましたが、この仕組みを活用する飼主は多くありませんでした。理由は様々だと思いますが、一番の要因は飼主が準備しないといけないペット達の飼育費が高額すぎるという事です。
例えば、飼主が60歳、飼っているペット(小型犬)が3歳としましょう。
そしてペットの飼育費を年間20万円と想定した場合は、飼主が準備しないといけない飼育費は、「ペットの余命×年間飼育費」という事になります。
仮にペットの余命が15年あるとしたら、「15年(ペットの余命)×20万円(年間飼育費)=300万円」を準備しないといけません。
更に医療費や様々な手数料などを加味するともっと高額の準備金が必要になります。
犬や猫は課税対象になる? 相続税の計算方法を解説!
犬や猫のようなペットは、法的解釈では「動産」なので、相続財産にはなりますが、相続税の課税対象になるかというと、一般的にはならないと考えた方が良いと思います。
但し、世界的に稀な犬種や猫種で、一般的な市場で高額で取引をされているとか、世界的に有名なチャンピオン犬(猫)で、種付け料が一般的なそれと比べると、数十倍、数百倍で取引をされ、これからも種付けできる状態にあるとかであれば、課税対象財産として評価する必要が出てくると思われますが、一般的には課税対象財産としては扱われないと思います。
遺言書などで、ペットとペットの飼育費(現金)を一緒に相続した場合、ペットの飼育費(現金)は課税対象財産として扱われるので注意しましょう。
また、ご自身の財産を遺す際に相続税を支払う必要があるかどうかは、相続税の計算式があるので、それに当てはめると大体把握できます。
①相続対象財産を全て洗い出す。
②全ての相続対象財産から相続税の基礎控除額を差し引く。
※基礎控除額=3000万円ー(法定相続人×600万円)この段階で、全ての相続財産が基礎控除額より少なければ、相続税は掛からないという事になります。
③法定相続分に応じた取得金額に対して、相続税率を掛けて、相続税の総額を算出する。
④相続人が実際に取得した財産に応じて、相続税額を配分する。
ここで注意するべきことは、相続対象財産を評価する際には、様々な特例や財産評価の方法があります。
ご自身の判断のみの計算だけではなく、ご自身の財産の棚卸をする意味でも、専門の税理士に相談しましょう。
相続税の計算をした際に、「相続税が掛からないから相続対策をしなくて良い」という事ではありません。
実は相続が発生した家庭の中で、実際に相続税を支払っている家庭は、全体の8%しかないと言われています。
にもかかわらず、遺産相続争いは一向になくなりません。これはなぜでしょう?
これは遺す側がちゃんと「遺産分割の対策」をしてないからです。
「遺産分割の対策」の一丁目一番地は遺言書です。遺言書は家族に贈る最後のメッセージです。
残された家族たちが笑顔で故人を偲ぶ事ができるように、そして遺されたペット達が悲しい末路を迎えなくて済むように、一日でも早く様々な対策に取り組みましょう。
株式会社サステナブルスタイル
後藤 光