大切なペット終活について一緒に考えるシリーズ
先進国の日本に限らず、ペットの高齢化が進むなか、ペットと一緒にお墓に入りたいと考える人が増加しているそうです。
しかし、現在の寺院や霊園側の法的な環境整備は、まだまだ十分に整っているとは限りません。
現在の仏教界には、犬猫は「畜生道」に位置するため、人間と一緒に埋葬するのは適切ではないとする考え方もある。
長年共に人生を寄り添ってきたペット大切な「家族の一員」と一緒にお墓に入る方法を調査してみました。
ペット終活の日本の現状について考える
ペットの数が子どもの数を上回った現在。2000年代前半に訪れたペットブームのときに飼われた小型犬や猫たちが高齢化し、にわかに“ペットの終活”が注目を集めている現在です。
なかでも需要が増えているのが、その中でも
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①ペットの葬儀と②ペット専用のお墓の需要が毎年増加しています。
東京の都内でペットの葬祭業を行う「ペットPaPa」(ECOアース株式会社)代表の高橋達治さんによると、一年間で取り扱うペットの立会個別火葬の件数は
⇒約1500件。うち中で300件ほどは寺院で火葬しているそうです。
「いまは火葬炉を搭載した火葬車でご自宅までうかがい、ペットの火葬だけを行うケースが増えています。一方で、人と同じように葬儀をあげたいという方も増えている。そのような方のために、弊社では猫専門(キャットPaPa)の施設として、お寺の一角を借りて火葬できるサービスも行っています」
都内在住の前澤直子さんは、昨年、都内にある常福寺の樹木葬墓地の一角に自身の墓を購入したそうです。
決め手は「亡くなった猫と一緒に入れること」だったと言う。
「10年前に愛猫を亡くしました。その後火葬はしたものの、近くに一緒に入れるお墓がなくて、ずっと自宅に骨壺を飾っていたんです」
前澤さんは現在一人暮らし。将来のことを考えると、いつまでも自宅に置いてはおけないと思ったのが動機だそうです。
「寂しいけど、猫の遺骨なんて他人からしたらゴミ同然ですよね。
だから自分が元気なうちに、お墓に入れてあげたいと思いました」
現在、墓には2匹の愛猫が眠っている。最終的には自分も同じ墓に入る予定だ。
愛するペットを埋葬する前は、遺骨を手離す不安が大きかったが、実際は「ちゃんとお墓に入れられて、気持ちがすごく楽になった」そうです。
「自宅とは別の場所で手を合わせる場所ができたことが大きいですね。
普段の生活との切り替えができるようになって、気持ちが沈み込むことも少なくなりました」
前澤さんがお墓を契約した寺は、11年前から犬や猫などのペット供養を始めた。同住職で、動物供養協議会の理事長を務める津村乗信さん(57)は、
「ペットを手厚く葬りたいという飼い主の要望は10年以上前からあった」と語っておられます。
「11年前に始めたペットの合同供養祭は、初めた当初は、初回から満員で150人ほどいらっしゃいました。
今は年2回開催で、1回あたりの定員も350名に増やしましたが、それでもキャンセル待ちの状態です」
供養祭の参加者と話す中で、津村さんは、ほとんどの飼い主がペットのことを「自分の大切な家族の一員」と表現することに気づいた。
「ペットである犬や猫はだいたい15歳前後で亡くなることが多い。飼い主の皆さんにとっては、愛しいわが子に先立たれたようなものです」
こうした飼い主の心情を知り、常福寺では6年前から「人とペットが一緒に入れるお墓」を整備した事例をご紹介します。
現在、墓石タイプの霊園150区画のうち、8割は埋まっているそうだ。
また、樹木葬墓地も250区画中100区画ほど売れている。そのうち30区画ほどは、実際に人とペットが一緒に眠っているという。
「ここ2年は『ペットと一緒に入れるから』という理由でお墓を購入される方が多いそうです。
6年前は全体の1~2割だったのが、今では半数近くに上ります」
ペット葬の歴史と仏教界の動向をまとめた『ペットと葬式』の著者で、ジャーナリスト兼僧侶の鵜飼秀徳さん(45)は、「居住空間の変化がペットの“家族化”をうながした」と指摘しています。
日本国内に於いて⇒「数十年前まで、ペットは庭先で飼うのが当たり前。特に犬は“番犬”としての役割を与えられていました。ところが昨今の小型犬や猫ブームによって室内飼育が増えたことで、人間とペットの主従関係が薄れた。」
これによりペットは、家族内の家族に一員であり、マスコットキャラクターのような存在になりました」
実際に、一般社団法人ペットフード協会発表の「全国犬猫飼育実態調査」によると、犬の室内飼育の割合は年々増加しています。
04年時点で60.1%(2人以上世帯)だったのに対し、18年は85.7%と、14年間で約25ポイント上昇した。
「特に都市部では、退職後に一軒家からコンパクトなマンションに住み替える高齢者も増えた。そこでペットを室内飼いして、新しいわが子のような存在になるケースもある」(鵜飼さん)
その一方で、ペットの埋葬に関しては、寺院・霊園側の意識や環境整備が追いついていないのが現状だ。
常福寺住職の津村さんによると、ペットの火葬だけはしたものの、一緒に入れるお墓が近くに見つからずに相談に来る人が圧倒的に多いそうだ。
「先日も、千葉県にお住まいの方が見学に来られました。ペットと一緒に入れるお墓は、まだ全国的に少ないのではないでしょうか」
なぜ増設が進まないのか。「いくつかの理由がある」と、鵜飼さんは指摘する。次回に機会にその理由についてご説明させて頂きます。
※上記の記事は2019年6/25/の週刊朝日の記事より転用させて頂いています。
次回は、なぜ、ペットと一緒にお墓に入れないのかを一緒に学んでいきましょう
終活に関する記事はこちらをご覧ください。
これからもあなたの人生の終活を
一緒に考えていきたいと思います。!