こんにちは。日を増すごとに暖かくなり過ごしやすくなってきた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?
草木が芽吹く爽やかなこの季節の事を、沖縄では「うりずん」と言います。
そんな「うりずん」の時期にある沖縄独特の行事をご存じでしょうか?
沖縄は信仰する宗教を持たず、基本的に先祖崇拝が主流となっております。
その為「お墓参り」の時期が一年の内に存在します。
今回はその「お墓参りの行事」についてお話ししたいと思います。
清明祭(シーミー)の起源
沖縄の年間行事の中に「清明祭(シーミー)」というものがあります。
シーミーは現在の那覇市で初めて行われました。琉球王国の頃に当時の首里王府が現在の那覇市で行われている作法に習って、1768年に毎年清明祭を行うよう定めました。
これ以降に沖縄全土に広まっていったと言われています。
このシーミーは1年の中である時期に主に行われる年間行事です。シーミーが行われる時期は旧暦に当てはめられて決まります。二十四節季の「清明」の期間に行われ、旧暦なので毎年日にちが一緒ではありませんが、
※2022年の清明は4月5日です。また、4月5日から次の二十四節気の次の第6節、穀雨の4月20日までの15日間ぐらいを指します。
現在では清明の入りの日を過ぎた土日に集まるご家庭が多いです。この時期に集中してお墓に集まるので各地で大渋滞が発生します。
沖縄本島で言うと北部あたりが混み合うようで期間中は毎週渋滞情報が表示されています。時間帯でいえば、各ご家庭でお昼頃から午後3時ぐらいでお墓参りする事が多いようです。
いろいろな清明祭
一般家庭で個人や親戚でお墓を所有している方の場合と地域や集団ごとにお墓を所有している方ではお参りの方法に違いがあります。以下でご紹介いたします。
一般墓地や霊園墓地の場合
霊園墓地の場合もシーミーの手順は変わりません。
こちらの場合は門中墓と違って「神ウシーミー」はせず、清明の入りの日を過ぎた後の土日にお参りする方が多いようです。
霊園墓地の場合は門中や個人墓と違って親族というよりも家族という単位になります。その為天候やそれぞれの事情を考慮し日程を決められるので、この時期の混雑を避けてお参りする方もいます。
[speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”mikuni.png” name=”アドバイス”]設備の整っているところが多く、個人墓にみられる駐車場の問題がなく心置きなくお参りができますが、更新料や管理費などの諸費用を要する事があります。
また、それぞれの霊園墓地にはルールがあり、お墓どうしが隣接したつくりになっているのでお墓参りのマナーなど特に気を付けなくてはいけません。[/speech_bubble]
一般的なシーミーの手順
シーミーもそうですが、沖縄の習慣は各家系や地域によって手順や時期違います。お盆や正月が旧暦に沿って行われるように本土とは違った風習や文化が今も根強く残っています。
今回ご紹介するシーミーも同じような事が言えます。
ここでは沖縄に多い個人墓のお墓参りの手順を調べてみました。
①清明の入りの日前
清明の入りの日の前には日程を決めるなどスケジュールの調整が主です。
当日の重箱料理(ウサンミ)を外注する場合は予約の確認などをします。
この時期には沖縄県内のスーパーはシーミーに必要な食材や線香やうちかび、生花などが並ぶ特設コーナーが作られます。
また、墓前でみんなで頂くオードブルを注文するご家庭もあるのでお店側には注文が集中します。
2~3日前だと対応が出来ないお店もあるのでシーミーの日取りが決まれば予約をしておくのが賢明です。
[speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”mikuni.png” name=”アドバイス”]シーミーを滞りなく行うための準備を清明の入りの日までにしておくのが良いでしょう。[/speech_bubble]
②清明の入りの日当日
清明の入りの日を迎えるといよいよシーミーのシーズンが始まります。
門中墓はこの日が平日でも神ウシーミーを行うことがあります。
上記で説明したような儀式が執り行われ、ここからシーミーが解禁します。
一般的な個人墓の場合は、お墓の草刈りや掃除を行う方が多いようです。
平日の明るいうちに行う方が多く、理由としては混雑を避ける為で親族の主に男性が行います。
[speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”mikuni.png” name=”アドバイス”]シーミーの日の当日に行う方もいますが、当日だと他のグループのお参りとかぶってしまい混雑に巻き込まれてしまう可能性があります。草刈りや掃除は前日までに済ませておくのが良いでしょう。[/speech_bubble]
③清明祭(シーミー)当日
シーミーの当日はそのご家庭の女性陣は大忙しです。上記にも記しました墓前にお供えする重箱料理(ウサンミ)やお菓子にお餅、果物やみんなで食べるオードブルなどお供え物を準備しなければいけません。
光景はまるでピクニック!沖縄のお墓はスペースが広い
沖縄のお墓は本土のお墓とは違い墓前のスペースが広くとられています。
お供えする場所は一段高くつくられていて、一段下に敷物を敷いてみんなの集まるスペースとして使います。
そこで座ってウサンデー(お供え物を頂く)します。
この光景はまるでピクニック…老いも若きも皆でごちそうを囲んで近況を報告し合ったり、昔話に華をさかせたり親戚みんなで和やかな時間を共有します。
穏やかで有意義な沖縄スタイルのお墓参りですね。
一般的なクワッチー(ご馳走)
- 魚天ぷら(イカの天ぷら)
- 結び昆布の煮つけ
- 田いも
- 赤かまぼこ
- 揚げ豆腐
- カステラかまぼこ
- ごぼうの煮つけ
- こんにゃく
- 三枚肉
以上の9品です。これらを重箱に詰めてお供えします。
地域やその家によって内容は若干異なる場合がありますが、この9品がスタンダードです。重箱に詰める際は高さを均一にして詰めなければなりません。
その為一品ずつ大きさをそろえたり、底上げをしたりとひと工夫が必要です。
さらにお餅を詰めた重箱、リンゴやバナナなどの果物を盛りつけたものやお菓子(かるかんやマドレーヌ、レモンケーキなど)もお供えします。
葬儀や法要の際にも上記のような重箱を用いるので差別化をはかるためお菓子は色鮮やかなものをお供えしても良いでしょう。
食べ物の準備のほかに生花やお酒(泡盛が多い)や水も必要になるのでそれらの準備も大切です。
準備に時間と手間を要するので段取りを考えて動かなければいけません。
その家のおばぁを筆頭にこれらの行事の際は朝から忙しく動かなければなりません。
一方男性陣はお墓の掃除を軽くした後に敷物をセッティングしたり、日差しの強い日だとテントを張って準備をします。
男性も女性もみんなで協力してシーミーをするので結束が深まりますね。
最近では負担を減らすために料理を持ちよってみんなで食べるご家庭もあるようです。
まとめ
本土とは全く異なる独自の文化や風習が現代でも色濃く残る沖縄、故にお墓の形状や墓参りの方法、習慣…どれをとっても独特なものでした。
調べてみると大変興味深く、ためになるものでした。
地域によってしきたりに多少の違いはありますが、沖縄の多くの家庭では特定の宗派を持たずご先祖様を崇拝し大切にする文化があります。
今回テーマにしたシーミーにはご先祖様を尊び、家族を大事にする気持ちがて溢れているような気がします。
沖縄では、古くからはお墓とは物件、家のようなものだと考えております。
お墓参りの際もお客様一人一人が和やかで充実した時間を過ごす事が出来るお墓づくりを目指しております。
多くの皆様がお越し頂く清明祭(シーミー)の時期は、他の霊園や墓地の密集している場所同様に、県内各地にあるみくにのおはかでも多少の混雑が予想されます。
いらっしゃる皆様が少しでも不快な思いや不便を感じる事がないよう、みくに自身が草刈りや駐車場の整備などに尽力しております。しかしながら力が及ばないところもございます。
お墓参りの際はゴミ捨て等のマナーやお墓参りのマナーを守って近隣の住民の皆様に迷惑をかける事のないようご協力お願い致します。
せっかくのご家族団らんのひと時ですので、気持ちよく有意義なお時間を過ごせるようにしましょう。