遺品整理業者がモノを盗む、ネコババする、勝手に依頼していない業務まで行う、などの事例を紹介。もめることがないよう、業者選びは慎重に行いましょう。
そもそも遺品整理とは
遺品整理とは、故人の住居や部屋にあるモノを片づける行為のことです。モノは破棄したり、引き取ったり、売却したりします。
この遺品整理を、ご家族に代って行う業者が遺品整理業者です。
多くの遺品整理業者は、遺品整理にまつわるその他業務の代行サービスも提供しています。例として、故人の遺体が部屋にしばらく残されていた場合に生じる臭いやシミの除去(特殊清掃)や、一部大切なモノに行う供養などが挙げられます。
沖縄県にも複数の遺品整理業者が存在しており、依頼可能です。
こちらの記事では、遺品整理に関する知識をまとめて解説しています。ぜひお読みください。
遺品整理の悪徳業者によるトラブル
悪徳業者の存在
医者や建築家、弁護士と違い、遺品整理は国などの行政により定められた資格がありません。
つまり、「やろうと思えば誰でも出来る」ということです。
そのため、お客様のことを考えておらず、期待と信頼を裏切る悪徳業者が存在しています。
トラブルの発生件数
遺品整理業者によるトラブルの発生件数やトラブル内容を、国民生活センターが発表しています。
ちなみに国民生活センターとは、消費者から寄せられた業者とのトラブルについて調査や紛争解決手続きを行う独立行政法人です。
この国民生活センターが消費者からの相談などを収集するシステム「PIO-NET」において、2013年から2017年に寄せられた相談件数を2018年に発表しています。
以下の表をご覧ください。
年度 | 件数 |
2013 | 73 |
2014 | 109 |
2015 | 90 |
2016 | 114 |
2017 | 105 |
なお、総務省による「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」によると、平成20年から30年5月31日までにPIO-NETに登録された相談件数は、なんと755件とのこと。
遺品整理業者によるトラブル事例
トラブルの種類
遺品整理業者によるトラブルは大きく以下のように分類出来ます。
・電話や自宅訪問などによる強引な営業
・依頼者の要望に沿わずに、遺品を勝手に処分
・雑な作業による遺品の破損
・見積内容と異なり作業を途中で放り投げる
・前払い後、作業当日に業者が来ず連絡もつかない
・高額な見積もり
・作業後に見積もりとは異なる追加料金請求
・見積もり後に実際の依頼は行わなかったにも関わらず料金を請求される
それでは国民生活センターに寄せられた実際の事例を見ていきましょう。
2017年に北海道で起きた事例
2017年11月に、北海道で遺品整理業者が逮捕されました。
この業者は便利屋として遺品整理の依頼も引き受けていましたが、遺品整理で回収したモノ400キロを不法投棄しており、廃棄物処理法違反で逮捕されています。
依頼キャンセル料の事例
遠方に住んでいた身内が無くなったため、遺品整理を依頼。費用はおよそ30万円で、ひとまず料金後払いで契約をすることに。
しかし作業予定日を迎える前に他業者にも見積もりを出してもらったところ、こちらの方が10万円程安く、こちらと契約。
先に契約した業者へキャンセルの問い合わせをしたところ、キャンセル料として、依頼金額のおよそ半額を請求された。しかし、事前にキャンセル料についての説明を受けていなかったため、納得がいかない。
勝手にモノを処分された事例
当日業者スタッフへ、こちらにあるモノは処分しないようにと打ち合わせしたにも関わらず、業者スタッフ間で連携が不十分だったのか、勝手に運び出されていた。
作業自体も雑な印象で、金額に見合ったサービスではない、と感じた。
トラブルを避けるためのポイント
上に挙げたようなトラブルを避けるため、業者選びがとても大切となってきます。
見極める際に重要なポイントの1つが、業者の態度です。
電話問い合わせや見積もり相談時の対応が雑な業者は、依頼者への誠実に向き合っていないと考えることが出来ます。
もしかすると単に接客が不器用なだけかもしれませんが、少し慎重になったほうが良いでしょう。
次に大切なのが相見積もりです。相見積もりとは、複数の業者へ見積もりを依頼すること。これにより、料金の相場などを見極めることが出来ます。
見積もり自体は多くの業者が無料で行っています。実際に業者スタッフと一緒に現地を訪問することが多いです。
少なくとも2-3件は見積もりを行った方がよいでしょう。
本記事の総括
以上、本記事では遺品整理業者によるトラブルについて、件数や事例についてまとめました。
トラブルさえ無ければ、遺品整理業者の提供するサービスはとても有用なものです。お金はかかってしまいますが、時間や作業の負担を大幅に減らすことが出来ます。
トラブルに遭遇しないよう、業者選びの基本はしっかり守りましょう。