看取りの選び方は?自宅でもできる?具体的な手順を公開

年齢を重ねるにつれ、自身の最期について考える機会が増えているのではないでしょうか。最期を考えるのは、生きることと同じくらい重要なものです。

しかし「なにをすればいいの?」「自宅で最期を迎えることはできる?」など悩みは様々ですね。今、在宅での看取りが注目を集めています。今回は看取りの選び方や具体的な手順について見ていきましょう。

看取りケアや緩和ケアってなに?

看取りと一言で言っても、中には様々な種類があります。状況によって選び方も異なるため、しっかりと区別しておきましょう。ここでは看取りや緩和ケア・ホスピスケアの違いについて解説します。

看取りケア

看取りケアは基本的に自宅で最期を迎える人に向けたものです。望まない延命治療を行わず、慣れ親しんだ自宅で最期の時を迎えます。

家族や看取り士が本人とコミュニケーションをしっかりと取り、最期について話し合いましょう。ケアには精神的なサポートや身体的な介助が含まれます。

緩和ケア

緩和ケアとは、ガンやエイズなど完治が困難な人へ向けたケアです。痛みや苦しみを和らげることを優先にし、無理のない範囲で鎮痛剤などが使われます。治療を含めた心身のケアを行い、自身の今後について考えています。

ホスピスケア

ホスピスケアは最期の時を迎えようとしている患者を、身体的・精神的な苦しみから解放するのが目的です。残された日々を人間としての尊厳を保ちながら、心穏やかに過ごせるようにします

。多くの場合、ホスピスと呼ばれる専門施設で行われますが、最近では在宅ホスピスケアも増えつつあります。

自宅かホームか…看取りの選び方は

内閣府が平成24年度に行った「高齢者の健康に関する意識調査」によると、「自宅で最期を迎えたい」と答えた人は全体の54.6%。

一方、「病院などの医療施設」と答えた人は、27.7%でした。多くの人が「最期は自宅にいたい」と考えていると分かりますね。

しかし実際はどうでしょうか。

厚生労働省の人口動態調査によると、昭和20年代の終わり頃までは、おおよそ80%の人が自宅で最期を迎えていました。病院や老人ホームで亡くなる人は10%にも満たなかったのです。

その後、医療の高度化や核家族の影響で病院で亡くなる人が急増。昭和51年にはついに逆転しました。現在は病院などの医療施設で最期を迎える人は、80%を越えています。「高齢者の健康に関する意識調査」と照らし合わせると、いかに希望通りの最期が難しいかが分かりますね。

自分の人生の最期はどうあるべきか、早くから考えておく必要があるでしょう。

看取りの選び方や流れ

自宅での看取りを選択した場合、本人だけでなく家族にも様々な準備が必要です。ここでは看取りの選び方や流れについて知っておきましょう。

自宅から半径16キロ以内で、診療してくれる医療機関や訪問医師を探す

まずは看取りができる医師を探しましょう。ギリギリだとスケジュール調整が難しいため、余命を宣告された半年前には準備を始めておくと安心です。

病院や診療所は自宅から半径16キロ以内にある場所を指定します。これは保険制度上、何かあった時にすぐに駆け付けられる距離が半径16キロまでとされているためです。

範囲を越えると医療保険上の加算が受けられない可能性もあるため注意しましょう。

担当とは長い付き合いが予想されます。相性をしっかりと確認した上で、信頼できる相手を選びましょう。介護施設に入所している場合は、担当のケアマネージャーが紹介してくれることもあります

看取りチームを作る

医師が見つかったら、その他のスタッフを集めていきます。家族のほか、ケアマネージャーや訪問看護師・訪問介護士などをメンバーに加えましょう。その他必要に応じて訪問調剤や訪問歯科などを利用します。

体勢が整ったら、看取りのリスク説明や医療行為・延命治療に関する事前指示書や同意書がもらえます。また並行してお葬式についても考えておくと、後の対応がスムーズです。

ケアの開始~看取り

書類が整い、注意事項を確認したら、ケアを開始します。患者が最期まで心穏やかに過ごせるよう、環境を整えていきましょう。ケアをしていく内に、医師が「回復の見込みがない」と判断した場合、「終末期宣言」がされます。

その後、生命力が弱まり息を引き取ると、医師や看護師の確認の元「死亡診断書」が発行され、死亡宣告が行われる流れです。

看取りは人によって時期や必要な専門医も異なります。そのため一概には言えないものの、十分な準備期間が必要である点は間違いないでしょう。

状況によっては高額な医療費がかかるため、本人とよく話し合い十分に検討するのがおすすめです。

在宅看取りで起こる状態の変化

一般的に死期が近い人間に起こる状態の変化は以下の通りです。

  • 呼びかけても反応が薄くなる
  • 脈拍が弱まってくる
  • 血圧が下がってくる
  • 手足が冷たく、血行が悪くなってくる
  • 冷や汗をかいている
  • 顔の血色が悪くなり、紫っぽい色に変わる
  • 呼吸をすると喉がゴロゴロと鳴り始める

上記の症状が現れたら、最期が近い証拠です。急いで医師を呼び、しっかりと寄り添いましょう。感謝の言葉を伝えるなど、後悔のないようにしてください。

在宅での看取りを選択した場合の費用は?

在宅での看取りを考えた時、「費用はいくらくらいかかるの?」と不安になる人はいませんか。在宅看取りの費用も医療保険が適用されるため範囲内に収まります。ここでは在宅看取りの費用について具体的に見ていきましょう。

自宅で看取る場合の費用

在宅医と訪問看護の費用は保険の適用内となり、おおよそ月1万3,000円~2万円以内(一割負担)が目安です。もし入院をしたとしても、医療保険は高額療養費制度を使えば、費用は限度内に収まります。訪問看護は利用した分に応じて料金が発生しますが、ケアマネジャーに相談すれば介護保険の枠内に納めてくれるでしょう。

病院で看取る場合

医療保険には高額療養費制度があり、上限を越えた分は支払う必要がありません。ただし注意したいのが、部屋やベッドの差額代です。費用が気になる場合は、大部屋にするなど差額がかからない部屋を選ぶと良いでしょう。

また病院によってはオムツ代や寝具・パジャマのレンタル代がかかります。入院時に必要な費用についてしっかりと確認しておきましょう。

まとめ 看取りは家族の意思を尊重しながら選ぼう

死に対する考え方は人によって様々ですが、やはり多くの人が「最期は自宅で看取ってほしい」と考えています。やはり長年過ごした自宅は、病院とは違う安心感があるのかもしれません。

最近では在宅看取り可能な環境が整えられつつありますが、もし困りごとがあれば沖縄終活案内所へご相談ください。

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